デビューアルバム[Aspera Hiems Symfornia]でブラックメタルシーンに新鮮な衝撃を駆って来たスーパープロジェクトバンドARCTURUSの新作...
メンバーらの実力程優れた[Aspera Hiems Symfornia]での壮大な構成、幻想的なサウンドは彼らを一躍スターした。だから彼らの新作ニュースは当然マニアの期待を膨らませたに違いない。個人的に彼らの新作タイトルが[The Satanist]と聴いていたので前作より遥かに壮大で邪悪な雰囲気を予想していた。
しかし発表されたアルバムは'地獄の舞蹈会'[La Masquerade Infernale]というタイトルで先聴いた人によると'変だ'、'難しい'ということが多かった。
非常にシンフォニックで敍事的な雰囲気の前作に比べてニューアルバムはまるで一編のオペラは鑑賞している感じだ。外的に現われるメンバーらの写真から内的なサウンドまで前作とはまったく違う感じがした。このアルバムで感じることができる雰囲気は'怪奇'と'恐怖'である。敍情性を表現するために使われたキーボードが今度は陰鬱で恐ろしい雰囲気を作るために存在している。同時にテクノリズムまでも大胆に導入させた。また様々なボーカルパターンで複雑な構成をもっと複雑に誘導している。
前作に比べて確実に複雑で難しくなった構成で聴き手をはじめから困らせる"Master Of Disguise"、荘厳で弱々しい雰囲気をとてもよく現わした弦楽器のリードと後半部のギター、キーボードのソロが最高の"The Chaos Path"、このアルバムの最高白眉である"Ad Astra"、Hellhammerの怖くなるほど正確なブラストビートが衝撃を与える"Alone"など前作のように一回聴いただけで楽しめる曲はない。
難解なアルバムだ。しかし曲のあちこちに隠れているメロディーと優れた展開が楽しめるように分かってくると喜悦を感じることができるアルバムだ。
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