[ A B O R Y M ]
       
  With No Human Intervention  
  (2003, CODE 666) 8.5
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イタリア出身のサイバーブラックメタルバンドABORYMの新作でサードアルバム…

彼らは1991年結成された。ファーストデモ[Worshipping Damned Souls]を発表、活動を始めたが、メンバー間のトラブルでバンドは一時解散、1997年再結成された。復活記念でリリースした[Antichristian Nuclear Sabbath]がきっかけで‘SCARLET RECORDS’社と契約、MAYHEMのボーカリストだったAttilaを正式メンバーに迎入して1999年デビュー作[Kari Yuga Bizzare]発表した。その後BURZUMのトリビュトアルバムに参加するなど活動を続き、2001年セカンドアルバム[Fire Walk With Us!]を発表、そして去年CODE 666’社と新しく契約して今年[With No Human Intervention]を発表したのである。

彼らのサウンドは個人的に好んでいるサイバーブラックメタルだ。去年にも同じ系のバンドを多く聴いたが、彼らはその中でも過激でヒステリカルなスタイルの方に属している。あえて例えばCADAVER INC.やLIMBONIC ARTにTHEE MALDOROR KOLLECTIVEを融合させたスタイルだと言えるだろう。ドラムマシーンの猛烈なブラストビートとノイズがかかったギター、そして狂ったように邪悪に吠えまくるボーカルに各種機械音やデジタル效果が乱舞している。ある意味では乱雑とも言えるだろうが、サイバーメタル特有のリズム感覚と案外のメロディーラインも登場して聴き手の立場(?)も考えている。(笑)

爆走するドラミング,シンセサイザーの規則正しいルーピングでスピーディに展開して行くし、Attilaの暴れるボーカルと鋭いソロを披露するギターが残酷さを増している“With No Human Intervention”、混乱として破壊的なサウンドの間に悲壮なメロディーラインを登場させる“Digital Coat Masque”、クラシカルな演奏の上に強烈なドラムサウンドをミキシングしたり反転に反転を繰り返す複雑な構成の“The Triumph”などで‘サイバー’らしいデジタルサウンドが‘ブラックメタル’らしい残酷でスピーディなサウンドに巧みに融合されているアルバムでTHEE MALDOROR KOLLECTIVEが好きだった人なら満足すると思われる。<2003/02/16>

mayhem

C L O S E